NEWS [黒か白か展のエピソード第ニ話]



当時20才そこそこで、アパレルのバイヤーとしてNYへ行っていたあの頃。
月の半分はアメリカで過す日々を6、7年程続けました。
NYは50回は行ったと思います。別に自慢とかではなくて仕事で行っていた訳で自分の意思では無かった。
初めてのNYは当時多発テロの1ヶ月後で、飛行機はガラガラ。
飛行機の座席で横になって行ったのはあれが最初で最後。
その時にテロに関するARTを見かけました。ツインタワービルが燃えている壁画。
僕はその時に激震します。
こんなにも感情をストレートに表現できるものがカタチとして残り存在すること。
衝撃を胸に仕事に追われる日々を過してました。

あられから約10年ぶりに。
今度は自分の意思で。

飛行機に乗って飛び立つ時。なんとも考え深い時間でした。
あの時、自分が受けた衝撃が、今自分の道であること。
そのキッカケとなったNYへ絵を描きに行くこと。
「運命」なんてちょっと恥ずかしい言葉が見え隠れする。

 



途中韓国のインチョンにてトランジットが4時間。
空港内をフラフラと暇つぶしに歩いていたら、モナリザのウィンクに出くわす。
僕が最初に描いた作品はモナリザをモチーフにしたものだったので
なんだか祝福されたような気持ちになり、ワクワクしていた。

まず、驚いたのは地下鉄に電光掲示板があったこと。次の電車がいつ来るか一目で分かるようになっていた。

ある程度、知識があると思っていましたが、久々のNYは訳が分からなかったです。

切符を買う事すらままならず、駅員に聞いてもまず英語が聞き取れない。
JFK空港から今回の宿まで地下鉄で2時間くらいのところ、22時に空港着で目的地についたのは
夜中の2時。

マンションに着いたはいいけど家主は連絡とれず。笑
僕はブルックリンの奥地でただ一人ポツンと座り込む。
激重のスーツケースと手荷物で身動きとれない。あ〜眠い。久々のNYってことで寝たら何されるかわからないな〜という変な緊張感と多分寝ても大丈夫だろうという自己暗示の狭間。
それでも到着から2時間は粘って…もう限界。
諦めてコンクリートに寝そべって落ちかけた時に!家主からの連絡。
「ごめん寝てた〜」とのこと笑
それでもマジで救われたと思った瞬間でした。

翌日、家主から聞いた話ですが、この地区では先月3人程死んでいるそうで。
まぁ何も無くて良かったと胸を撫で下ろす良いスタートでした。

 





今回のNYはROCK!AWAY!MUSIC FESTというイベントでのライブペイントにNY在住の
アーティスト岡野真人君と共に参加することになってました。

このイベントは3日間行われるイベントでNYはブルックリンのビーチサイドで開催。
今まで訪れたことのなかった場所でした。

またイベントとは別にグループ展の展示も同時進行で僕と岡野くんとNY在住のアメリカ人のグラフィティーアーティストのライヤンと3人での展示が決まっていました。

 


今回展示した場所はNYはブルックリン地区にあるブッシュウィック。
今、NYはマンハッタンよりもブルクッリンがホットで、その中でもブッシュウィックは
世界のアーティストが集まるART最先端と聞いていた。

街はこれから発展するだろうって感じでしたが、そこら中に壁画の山。
ストリートアートの宝庫でした。

イリーガルなものとリーガルのものが混在する町並み。

ブランドの看板も手書きで行う。
日本であれば印刷が常。
ARTという存在の立ち位置が、この国ではいかに必要とされているか改めて肌で感じた瞬間でした。

展示作品は
僕がNYでのテロの衝撃を胸に初めて描いたステンシル作品「NOWARLISA」と前回のブログに書いたステンシルの限界を感じた「一花繚乱」という作品など。そして今の自分のスタイルである筆の作品はNYで描いた「道」という作品を飾りました。

これまでの自分と今の自分を展示しようと思って選んだ作品達です。
果たしてニューヨーカーの反応はいかに?



スケジュールはタイトでした。NY到着の翌日からフェスの主催者など現地で顔合わせ、翌々日から展覧会の設営と同時にそのままオープニングレセプションを向かえ会場でライブペイントし、その次の日からはフェスにてライブペイント2連チャン。

まるで走馬灯のように過ぎ去っていった濃密な日々。

とりあえず展覧会のレポートから始めます。



時差ぼけ、アルコール、疲れと現地の仲間が駆けつけてくれたりでテンションは4方8方へ。

そしてオープンと同時にスタートしたライブペイント。

 

 

 

最初に描いたのは岡野くん。

それを観ながらどうかいて行こうか考えていた。

 

僕が描き始めたら写真に映っている今回の参加者であるライアンが話しかけてきた。(それまで一言も会話してないのに)

「それ、目なんだね」

「そうそう」

たったこれだけの会話だったがそれから二人でしばらく描いてて

途中からライアンがウンコの付いたタバコを描き始めて二人でそれを観ながらゲラゲラ笑っていた。

楽しい時間だった。

↑岡野真人↓ライアン

 スタイルは違えど岡野くんもライアンもカッコいいアーティストと一緒に展示が出来て嬉しかった。

 

急遽参加することになったこのギャラリーの店長、コウタロウ君のストリートスナップも展示。

自由の国を象徴するかような写真たちがとても良かった。スタイル=自分

 

会場は予想以上に賑わい、話しかけられても何を言ってるのかよく解らない。
けど、その中でやけに興奮状態で話しかけてきた人がいた。

彼は会場にビールを持ってきてくれた気さくでお洒落なメキシカンとのハーフ。

最初に持ってきたビールがあまり冷えてなくて、こんなんはビールじゃない!とか言ってすぐ出て行って。

今度はキンキンのやつを持ってきたおもてなしの心を携えたアメリカ人。

僕は作品の前に連れていかれ「THIS IS SO アメイジング、SO DOPE!」みたいな事を言っていた。

その作品は僕がNYで描いた筆の作品「道」だった。 

 

日本から持って行ったシルクスクリーンの「道」を彼にプリント。

「コレは世界に一つだ!」と言って喜んでくれた。

 

 

 といったような感じでNYの展覧会がスタートしました。

4日間に渡って開催されたこのグループ展にはスケジュールの関係で初日しか顔を出すことが出来なかった。

それでも得たものは大きかった。

今回の展示に関わってくれた人、観に来てくれた人達に感謝です。

 

次回はROCK!AWAY!MUSIC FESTの模様を。