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NEWS [黒か白か展のエピソード第一話]

 

 

 

さて今年最後の展覧会のお知らせです。

今回のグループ展は「黒か白か展」です。

題名の通り、黒白の作品群のみ展示となります。

この展覧会を開催するにあたっての経緯を紹介します。

この企画は一つの言葉から始りました。

その言葉に出会ったのは、今から5年前くらい。

まだ東京にいた頃でした。

ある漫画のワンシーンで。

主人公へ投げかけられた言葉。

時代は戦国時代。

武家に生まれ、将来は武将として生きるというレールを走っていた主人公。

戦に出て、戦で武功を上げてのしあがろうと奮闘していた。

その反面、主人公には趣味がありそれは、美術鑑賞。

いつしか自分の美を追求したいと思うようになった。

だが、時は戦国時代。

前回のNEWSで書いた事にも通じるのですが、自分の好きなことなんてやって生きて行く時代ではなかった。

現代よりもっとまわりは否定的で、自分の趣味思考を表現することが非常に難しい時代だったと描かれています。

そんな中、仕事(侍業)も辞める事ができず、自分の夢も捨てきれない主人公はある時

侍として生きる自分の能力の限界に気付きます。

侍業そっちのけで、自分の美的感覚を追求するようになった主人公は

当時、美の先駆者であり現代でもその美的感覚を受け継がれる偉大な存在

千利休にその才能を見いだされ、弟子として学びはじめます。

才能は開花し始め、周りからも一目置かれるようになった主人公は

自分の美的感覚に自信を持ちはじめます。

その矢先、師である千利休から主人公に問われた一言がこちら。

 

これをきっかけに主人公は今までの作品は、誰かのマネだったことに気付きます。

そして己を見つめ直し始めるのです。

 

ということで漫画のあらすじはここまでにして。

僕はこの言葉が胸に突き刺さり、今でも刺さり続けています。

それからずっとこの言葉の意味を探し続けていました。

いや、今も探し続けています。

自分が創りだしものにて何をしようとしているのか。

今でもその答えは明確になっていません。

ただ、自分を見つめ直し、削いでみようと思いました。

削ぐ。とは?

何をどうすればよいか。

模索の日々。

そして僕が絵を描き始めた最初の技法である

ステンシルから一旦離れました。

正確には離れたくなった。でしょうか。

ステンシルは浮世絵のようなもので重ね合わせることで

濃密な作品に仕上がっていきます。

ある時どれだけ重ねられるか試したくなり、何十枚ものステンシルを組み合わせて一つの作品を作りました。

その時、自分的にこの技法の限界を感じました。

その作品がこちらです。

もっと自由に,もっと自分の絵というもの描かなければと。

その時、どこにでもある絵を描くにあたり一番オーソドックスなモノ。

子供ころから使っていた。そして改めて買わなくても手元あったモノが目に。

「筆」

僕はとにかく筆の技術を磨く為上で、コストも欠けたくなかったので、手元にあった100キンの筆と余っていた黒ペンキを使って、描きました。

黒で描いて行くと面が黒で埋まる。筆筋が解らなくなってくるので今度は白で描き始める。

その繰り返しやっていく内に

今までのようなカラーリングがなくても黒と白だけで絵が仕上がることに気付きました。

あの言葉にあった。「削ぐ」

創りだしたものにて何をしたいのか?

それはまだわかりませんが唯一、今の自分が出来たことは「色を削いだ」ということ。

それだけは出来ました。

筆を使い始めてまだ2年ぐらい。

自分の筆という技術は一体どれくらいなのか。

果たしてこの美を磨き続けていって良いものなのか。

葛藤している矢先にニューヨークでのライブペイントと展示の話が舞い込みます。

自分を試してみよう。

そう思いニューヨークへ行くことに。